秘密の溺愛ルーム~モテ男子からの奪い合いがとまらない~

放課後。

エクセレントのみんなが教室を出ると、琴宮さんが歩み寄って来た。

今日は何を言われるのかとびくびくしていた私に投げられたのは、思いもかけない言葉。


「来栖さん、選挙活動がんばってるみたいね」

「? えっと……はい」


これは激励ってとらえていいんだよね?

まさか、来栖さんからねぎらってもらえるとは思わなかった。

ちょっと拍子抜けしながら苦笑いする。


「で、シュークリームはいくつ受け取ってもらえたのかしら」

「えっとぉ……ゼ、ゼロです」

「あら~、せっかく作ったのにもったいないわね~」

「???」

「今度作ることがあったら是非私にちょうだい?」


琴宮さんはふふふっと笑うと、黒髪を翻して、カバンを抱えて教室を出て行った。
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