冷めない熱で溶かして、それから。


「そんなことないよ!むしろ松野くんのとなりは一番安心する」


 文化祭のときだって、すぐに私のところに駆けつけて守ってくれた。
 そんな人が頼りにならないなんてあり得ない。


「じゃあ……いいですか?」
「えっ?」

「もっと堂々と先輩と関わりたいです。俺の彼女だって公表して、誰にも手出しされないように」


 松野くんがまっすぐ私を見つめる。
 うっ……そんな顔をされたら、嫌とは言えない。

 それに私だって……堂々と松野くんのとなりを歩けたらって思う。


「それにもし先輩を傷つけるやつがいたら俺がボコるんで、そこは安心して……」

「いやそれはダメだよ!暴力はダメ……!」
「ふっ、冗談です。俺のかわいい彼女を早く自慢したいなぁ」


 松野くんは焦る私を見て笑い、指で頬を撫でてきた。
 愛おしそうに見つめられ、私は熱くなる顔を隠すように俯く。

 私も頼りになるかっこいい彼氏を、早く璃花子ちゃんに紹介したいなと思った。

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