冷めない熱で溶かして、それから。
「そうですか。楽しみです」
私の言葉を聞いてニヤッと笑う松野くんに少しばかり嫌な予感がしたけれど……気のせい、だよね?
今はそんな嫌な予感よりも、松野くんと一緒にクリスマスを過ごせる楽しみのほうが強かった。
家に着いてから、さっそく料理を作り始めた。
松野くんは手慣れた様子で手伝ってくれて、少し残念……と思ってしまった私は悪い人間だ。
だって、ひとつやふたつくらい不器用なところがあってもかわいくて良いのに……松野くんにかわいさを求めてしまっている私も私だけれど。
クリスマスにちなんだチキンの料理やスープなどを準備し、順調に進められたおかげで、デザートまで作ることができた。
「完成だー!」
料理ができたあとは、リビングに並べ、ちょっとしたパーティー感覚で食べる予定だった。