冷めない熱で溶かして、それから。


 走ってきたのか、少し息が乱れている。


「ま、松野くん……⁉︎」


 どうして?

 私を追いかけてきてくれるような関係なんかじゃないのに。


 私たちはまだ出会って間もない、顔見知りにも満たない関係。

 それなのに、追いかけられたことにおどろきを隠せない。


「もしかして、私になにか話があったの……?」


 それ以外、理由が考えられない。

 さっきの集団の人たちと話していた様子だったけれど、私が邪魔をしてしまっていたらなんだか申し訳なかった。


「……いえ、特には」
「えっ……?」

「俺も帰ろうと思って。それより先輩、俺のこと避けてますか?」


 松野くんに敬語を使われるのって慣れないな……って、それどころではない。

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