契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした
「今日は勘弁してやるけど、一緒に浴びるのもいいものだぞ」
「ど……ういう意味?」
「エッチで楽しいこといっぱいしような、って意味」

「祐輔っ!」
「おい!暴れるな落とすぞ」
 美冬を抱き上げてベッドルームに向かった槙野は入口で足を止める。

 ベッドにはハート型にバラの花びらが散らされていたからだ。
「マジか……」

「あら、綺麗。すごいわね」
 その上に美冬をそっと下ろす。

「なあ? 俺は契約婚なんて、もうどうでもいいぞ。それくらいには美冬のこときちんと好きだからな」
「うん……」

 契約なんだと思っていた。その優しさも、美冬への気持ちも、契約なんかじゃないと分かった。

 愛されることなんてないと思ったのに、ずっと気持ちはちゃんとあったのだ。

「私も、好き」
 美冬がぎゅっと抱きつくと、槙野は抱き返してくれる。

 きゅっと抱き合うとお互いの体温がとても伝わって、美冬は高くなる自分の鼓動の音が聞こえる。
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