契約婚と聞いていたのに溺愛婚でした

19.いただきます

 ミルヴェイユとケイエムとでデザインを詰め、広告の打ち合わせなども進めていく。
 ミルヴェイユでは今まであまり広告など打ったことはない。季節毎のDMを顧客に送るくらいだ。

 その辺りもお互いの会社の部署同士の交流があり、お互いに良い刺激になっている、という報告が美冬のところにも上がってきていた。

 実際に商品が店頭に並ぶのは、S/S(スプリング・サマー)つまり、春夏物でということになった。

 春夏物は早いものでは2月頃から店頭に並ぶことになり、広告関連は冬のセールが終わってすぐ、ということになる。

 その間に情報を拡散させ、話題を作っていかなくてはいけない。
 デザイン部ではコラボ商品の最終的な打ち合わせに、夜も詰めていると聞いている。

 他の部署も同様だ。遅くまで残ってやってくれているようだった。
 申し訳ないと思いながらも、一生懸命な社員達をありがたいと美冬は感じる。

 美冬は特に業務が増えてしまっている販促部とデザイン部のために、その月の月末、ケータリングを頼むことにした。

 美冬も企画が進行するに伴って、決裁が格段に増えたし、仕事はそれだけではない。残って仕事をしていると内線が鳴ったのだ。
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