雨降り王子は、触りたい。
「今日…話せてよかった。」
「………おー。俺も。」
素直になるのは、難しい。
一歩を踏み出すのはもっともっと、難しい。
だから…今はまだ、このままでいい。
すれ違うたびに言い合いをして。
三咲が困った時は助けるから。
だけどいつか、もう少し。
もう少し、三咲に近付きたい。
そしてまた、あの手を─────。
◆
『簡単に触らせないで。』
────口に出してどうすんの、俺。
そんなこと言ったって困らせるだけなのに。