雨降り王子は、触りたい。
────ほっと、胸を撫で下ろした自分がいた。
だけど捻くれ者の俺は。
「………安心とか意味わかんないし」
ぶっきらぼうに、そう言った。
ほっとしたのは事実だけれど。
安心って。
……俺は何に不安だったわけ?
っていうかもうすでに、近すぎる距離にイラついて、雨宮に八つ当たりした後なんだけど。
チカが雨宮に触ると嫌で、チカが雨宮を好きだと困る。
それってなんか、俺………。
柱の電子看板が、いつもならすぐ食いついてしまうような新商品のスウィーツを映したって、目に留まらない。