極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
グランドスイートの契約花嫁

1.ウェディングドレスは誰が着る?

 昨夜はどこに行っていたの、なんて聞けない。

 航海四日目の朝。
 セレブリティクイーンでの船旅もいよいよ折り返しだ。

 翔一郎さんは明け方に帰ってきて仮眠を取っていたようだ。今はバスルームからかすかにシャワーの音が聞こえてきている。

「ドレスショップかぁ……」

 本日の予定。
 船内のショッピングモールで買い物。
 特にドレスショップで、必ずもう一着イブニングドレスをあつらえること。

 早朝起きてすぐに、バトラーのエリオットさんから翔一郎さんの言伝を受け取った。

「いいお天気」

 身仕度を整えてから、わたしはグランドスイートのバルコニーでのんびり紅茶を飲んでいた。
 日本ではなかなかお目にかかれない本物の執事の入れてくれた、香り高い紅茶。なんて贅沢で優雅な朝なのかしら。

 目の前には真っ青な空と海。
 大西洋をかきわけて進むセレブリティクイーン。その船尾についてくる真っ白な引き波――航跡波が今日も綺麗だ。

「おはよう、鞠香」
「おはようございます」

 シャワーから出てきた翔一郎さんは珍しくルーズな格好で、シャツの前が大きく開いている。
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