極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
「ある程度、鞠香のキャリアアップの目途が見えたら籍を入れよう。まあ……」
「……?」

 そのまま形のいい耳にキスをして、さらに吐息を吹きこむ。

「俺が我慢できなくなるのが先かもしれない」

 鞠香の顔が昨日の朝、食べたイチゴのように真っ赤になる。
 その頬に口づけて、その小さな唇を奪って。

「きみのすべてを早く俺の色に染めたくてたまらないんだ」

 せめて今夜は、ゆうべ耐えた分まで鞠香をむさぼってもいいだろうか。
 いや、パーティー続きの今日はさすがに疲れただろう。ニューヨークまでは自制しなければ。
 だが、それ以上は待てない。

「それって……あの……赤ちゃんが欲しいってこと?」
「…………」

 たしかにそうだが。そういう意味を匂わせたが……。初心な鞠香には通じないと思っていた。
 鞠香の口からはっきりと『赤ちゃん』という言葉が出たことに俺は衝撃を受けた。

 いや、待て。違う。
 鞠香は純粋に家族を作るという意味で言ったはずだ。その前の行為のことではないよな?
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