極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 そのまま二人でニューヨークの夜景を眺めた。
 セレブリティクイーンで航海してきた北大西洋の一面の星空とは違う。燦然と輝く街の明かり。
 幾千幾億ものその灯は、ただの光ではない。夜を照らすきらめきの中にはいろんな想いを抱えながら生きている人がいる。
 その人々の営みが無性に愛しくなった。

「またニューヨークに来よう」

 翔一郎さんが優しい表情で言う。
 今は翔一郎さんに何もかもしてもらっているけれど、これから翔一郎さんの灯はわたしが支えたい。
 この人が疲れた時、苦しい時、悲しい時……、どんな時でもそばにいたい。

「はい。ニューヨークだけじゃなくて、いろんな国を探検しましょう」
「そうだな」

 翔一郎さんがまたおかしそうに笑った。

 夢のようなクルーズ旅行が終わっても、わたしたちの人生の旅は終わらない。
 今度は東京で、二人の未来への旅が始まる。
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