極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました~一途な海運王の華麗なる結婚宣言~
 そして、細長いおしゃれなフルートグラスには黄金色の液体。シュワシュワとはじける繊細な白い泡。

「朝からシャンパン?」
「ああ。シャンパン・ブレックファストもいいだろう? セレブリティクイーンの船出と、私たちの出逢いに乾杯」

 フルートグラスを傾け、ウインクする翔一郎さん。
 そんな仕草をする男性、現実では初めて見たけれど、たぶん欧米人の血が入っている彫りの深いイケメンには似合っている。

「いただきます」

 シャンパンを口に含むと甘い香りとしっかりとした果実の味がする。細かな泡が舌を刺激するのが楽しい。

「ヴーヴ・クリコにしようかと思ったんだが、ボランジェにしてみた。せっかくのイギリス発の航海だからね」
「イギリス? シャンパンはフランスのものですよね?」

 フランスのシャンパーニュ地方で作られたスパークリングワインだけが、シャンパンと名乗るのを許されると聞いたことがある。

「ああ。ヴーヴ・クリコもボランジェも名門のシャンパーニュメゾンだが、ただボランジェといえばジェームズ・ボンドのイメージが強いから」
「あ、映画の『007』?」
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