極上御曹司に見初められ、溺愛捕獲されました～一途な海運王の華麗なる結婚宣言～

　ちなみに翔一郎さんによると、エリオットさんは日本に留学した経験があり日本語がペラペラらしい。エリオットさんに向かって日本語でお礼を言うと、礼儀正しくお辞儀をしてくれた。

　翔一郎さんが彼に目配せする。エリオットさんはワンピースを持って、また室内に戻っていった。

「鞠香、もう少し飲むか？」
「はい。じゃあ、あと一杯だけ」

　翔一郎さんがシャンパンをサーブしてくれる。

「ありがとうございます」
「きみは意外と酒が強いんだな」
「人並みですよ」
「酔っ払って警戒心が解けたところも見たかったが……」
「そんなになるまで飲みませんから！」

　ゆっくりと朝食をとっていると、いつの間にか太陽が高くなっていた。
　波がきらきらと輝き、かすかなエンジン音が聞こえてくる。

　さあ、クルーズ二日目。

　昨日サウサンプトンで乗船したのは午後遅い時間だったので、昼間のセレブリティクイーンを初めて探検することになる。
　次はどんなラグジュアリーな世界がわたしを出迎えてくれるのか楽しみだ。