その狂女、ミイラ女と化す
母親は心配そうに医師に訊ねる。

「私たちは、どうしたらいいんでしょうか?」

「そうですね、残念ながら、このまま見守るしかありません」

そう話し終わったとき、誰かが部屋をノックした。


部屋に入ってきたのは…

元カレだった。

あいつは入ってくるといきなり土下座して、

「ぼくのせいで、すみません。ほんと申し訳ありません」

何度も、何度も頭を下げて謝る。

「頭を上げてください、あなたが悪いんじゃない。娘は病んでいたんです」

父親が優しく語る。

「ええ、全てはわたしたち親の責任です。それなのに…」

母親も申し訳なさそうにつぶやいた。
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