その狂女、ミイラ女と化す
正直、薄々はわかっていたけど、それでもショックだった。

「うん。わたしへの愛情なんて、ない」

「ま、そーいうこと」

悲しい人生だったね、あなたって。

わたしは、包帯に巻かれたミイラをじっと見ながら思った。


男の子が言った。

「木になって長い時間かけて見る必要なんてないってこと。わかった?」

「う、うん」

「これが今の人間たちの現実ってことさ」

そっか、それを伝えたかったんだ。

わたしの最後の声はちゃんと届いてたんだね。


なら、この子が神様なの?
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