その狂女、ミイラ女と化す
もっと仰々しいやつ、想像してたのにな。

と不思議そうに見つめているわたしに気付いたのか、こう付け足した。

「あー、この見た目、ヘンだった?」

「ううん、ちょっと違うって思っただけ」

「これって、最近、ぼくの仲間になった子が見えてるだけ」

え、子供が仲間になった?

それって、わたしみたいに憎しみを抱いて死んでいったってこと?

まだ、こんなに小さいのに?

いったい、誰に対して?

あと、何があったの?

様々な疑問を投げかけたが、それに対する答えはくれなかった。

その代わりに、「見てごらん、そろそろ始まるな」

死神はそう言ってベッドの方を指さした。
< 9 / 29 >

この作品をシェア

pagetop