スイートスイーツスクランブル
プロローグ
「行ってきま~す!」

レストラン「オー・ド・シエル」のキッチンを覗いて父さんに挨拶した。

「おぅ、行ってこい」

私、柏木未来(かしわぎ みく)は明るい声で送り出される。「オー・ド・シエル」は、シェフ兼オーナーの父さんが経営するレストランで、なかなか繁盛している。自宅は2階になっていて、4LDK、使ってない部屋も2部屋ある。

母さんは私が3つのときに病気で亡くなった。写真でしか顔を知らない母さんだけれど、最近よく似て来たなぁ、と我ながら思う。大学1年なのに、高校1年くらいにしか見られない童顔に・・・コンプレックスでもあるけれど、このくりくりした二重の瞳は私のチャームポイントでもあるのだ。

・・・と言ってくれたのは、親友のなぎさ。私と違っておとなしいけど、スイーツ好き、と言う共通点があって仲良くなった。2人で毎日のようにカフェ巡りしている。そのせいか、体型が・・・。今日は、3限までだから、そのあと「(あし)」のパンケーキを食べに行こうね、って言ってるんだ。

私の通う崎田女子大の最寄り駅までは電車で30分。まぁまぁの距離ってとこ。駅から歩いて10分ほどで学校に着く。
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