スイートスイーツスクランブル
「ほい、これ持って行って」

・・・と言われて見たら、今日のデザート~クレームブリュレとベイクドチーズケーキ~の周囲にたくさんの果物が飾ってあって、クリームでハートを形どった中に” fiançailles”と書いてあった。

「那須くん、これが婚約中って意味?」

「てか、婚約。『フィアンサイユ』って読むから、お伝えして」

「ありがとう」

「なんで、お前が感謝するんだよ?」

くすくすくす、と可笑しそうに那須くんが笑うのを不思議な気持ちで見ていた。

「お客様の喜びは、スタッフの喜びでしょ」

「そ、だな・・・とりあえず、早く持っていけ。『フィアンサイユ』だぞ」

「りょーかい」

那須くんからお皿を受け取り、TASUKU様とMINA様の席に持っていく。

フィアンサイユ、フィアンサイユ、と心で唱えながら。

「どうぞ。本日のスペシャルデザートです。ご婚約中のお2人のためにパティシエが心を込めて作りました」

「この・・・アルファベットは、なんて?」

MINA様が目を輝かせながらお尋ねになる。

「『フィアンサイユ』と読みます。婚約、という意味です。ご婚約、おめでとうございます」

「うわぁっ、ありがとうございます」

「感謝します」

MINA様とTASUKU様がおっしゃって下さったのが何よりも嬉しい。

「あの・・・」

遠慮がちにMINA様。

「なんでしょう?」

「このデザートを作ってくれたパティシエさんにお会いすることは出来ますか?お礼を直接言いたいんです」

「かしこまりました。少々お待ちください」

那須くんっ!!あなたがヒーローだよっっ!!
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