スイートスイーツスクランブル
「行こっか、未来」

3限の授業が終わると、なぎさが声をかけてくる。

「そだね。今月のスペシャルパンケーキは何かな~?」

地下鉄東西線に乗って、神楽坂に向かう。「葦」は駅から歩いて3分ほどのところにある。

ペールグリーンを基調にしたその外観は、とてもシックだ。入り口に、メニューが置いてある。プレーンなパンケーキから、ベリーをたっぷり使ったもの、洋梨とカスタード、チョコ&ナッツなどのベーシックメニューの他に、今月~9月~のスペシャルパンケーキは「巨峰のパンケーキ」とあった。

「巨峰・・・いいねぇ。コンポートとフレッシュのハーモニーって書いてあるよ」

私が言うとなぎさが、

「私、これにする」

「私も、そう言おうと思ってたところ」

私はそういうと、なぎさの手を引いて店内に入った。

「いらっしゃいませ。こちらのお席へどうぞ」

ウェイトレスさんが笑顔で私達を迎える。席に着き、お水を持ってきてくれたウェイトレスさんに迷うことなく巨峰のパンケーキ2つを頼み、私はカフェオレ、なぎさはダージリンを頼んだ。

しばらくして、巨峰のパンケーキが2人の前に届けられた。

うっとり・・・。まず、ウェイトレスさんの許可を取ってパンケーキの写真を撮る。

ふっわふわなパンケーキ2枚重ねの上に紫色の巨砲のコンポートと丁寧に皮をを剥いたフレッシュの巨峰。サイドにアイスクリームと生クリーム、カスタードクリームが綺麗に盛ってある。これはきっと、好みで好きなものを合わせて食べてください、と言うことだろう。

「いっただきます」

なぎさと私で同時に言った。なぎさは心なしか顔を紅潮させていたおそらく私も同じような顔をしていることだろう。
< 4 / 11 >

この作品をシェア

pagetop