そんなの関係ないよ!
「ただいまぁ」

玄関を開けて、私が元気に言う。

「亜里沙、ちゃんと5時までに帰ってきて、偉い、偉い!!」

ママが私の肩を叩く。痛いよ、ママ。

「だって、亨兄とのデート、禁止されたら嫌だもん」

「しないわよ。亨くんなら安心だもん。でも、今まで通り、門限は5時ね、分かってるわね?」

「はいはい~」

「はい、は一回!」

「はい、ママ!」

2人で笑いあう。

「パパは何か言ってる?」

「何も・・・でも、亜里沙の初カレに微妙な気分な様子よ」

ん~、そっかぁ。父親ってそういうものなのかな。

「パパにもただいま、言ってくる。どこにいる?」

「リビングよ。亜里沙がいつ帰ってくるか、そわそわして待ってるみたい。早く行ってあげなさい」

ママが笑顔で言う。リビングに忍び足で行って、パパを驚かせる。

「わっ!」

「わぁっ、驚かすなよ。亜里沙か。ちゃんと時間通り、帰ってきたな」

「うん、大好きなパパのもとにね」

ぎゅっ、とパパに抱きつく。パパが愛おしそうに私の髪をなでてくれる。

「亨くんとは、楽しかったか?」

「うん、とっても」

「そうか・・・」

「心配しないで、パパ、私、そんなに早くお嫁に行かないから」

パパがぷっ、と吹いて。

「分かってるよ。しばらくは、パパの亜里沙でいてくれな」

「亨兄も大切だけど、それとは別枠で、パパもママも大好きよ」

パパが私をぎゅっとした。涙していたように見えたのは気のせいだろうか。













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