そんなの関係ないよ!
DATORでは、亨兄がみんなの飲み物を買ってくれた。朋美がロイヤルミルクティー、優香がミルクコーヒー、私がミルクココアで亨兄はカフェラテを頼んでいた。

空いている席に私と亨兄が並んで座り、朋美と優香が向かい側に座った。

「亜里沙と仲良くしてくれてありがとね。僕とばかり遊んでいたから、友達ができないかなぁ?と心配していたんだ」

亨兄・・・やっぱり放課後、私が他の友達と遊ばないの気にしてくれてたんだ。

「亜里沙とは、3年生になってから同じクラスになったんです。少しずつ仲良くなって・・・バレンタインのチョコカップケーキを一緒に作ってからますます仲良くなって」

朋美が説明するように言った。

「あぁ、あれ、君たちも一緒に作ったのか。おいしかったよ」

「ホントですか!?よかったぁ。私達も、クラスの男子に渡して・・・結果は残念だったけど、おいしいモノ食べてもらえたなら良かったよね、朋美」

「うん。あれ、本当にがんばって作ったんですよ!」

「そっかぁ、残念だったね。でも、君達にもいつか、素敵な人が現れるよ」

亨兄が満面の微笑みで言った。私は、ふと不安になって亨兄の手をギュッと握った。

「僕は亜里沙に夢中だけどね」

けっして茶化す感じではなく、心から言ってくれたのが分かって嬉しかった。

(ありがと、亨兄)

耳元で囁いたら、亨兄が赤くなるのが分かった。

「ラブラブですねぇ。でも、同級生とか、中学の後輩とかに揺れることはないんですか?」

優香が心底不思議そうに尋ねた。

「僕のスプリンターとして初めての大会でこけちゃったとき、亜里沙に『痛いの痛いの、あーちゃんの膝に飛んで来い!』って言われた瞬間から、亜里沙に夢中なんだ。その前から、好きではあったけどね」

「えっっ!聞いてないよ」

「言ってないもん」

は~、そうだっんだ。あの時の私、グッジョブ!

「・・・それは、それは、ごちそうさま」

「これからも亜里沙をよろしくお願いします。私たちは、これで」

朋美と優香が交互に言う。えっ、もういいの?

「会えて嬉しかったよ」

亨兄が笑顔で言うと、2人は店を出て行った。















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