クローバー
瑠衣side


学校の校舎裏。


立っているのは俺、ただ1人。周りには数人の男達が気絶している。


だるい。疲れた。


自分の力量を分かっておらず、敵わない相手に平気で喧嘩を売って来るバカが嫌いだ。


入学した当初、雑魚に絡まれその喧嘩を買ったところ噂が広まり、その後もよく喧嘩を売られるようになった。


全く。どいつもこいつも弱い癖にめんどくさい。


俺は人とつるむのが苦手で基本1人、空き教室で寝ている。そういえば、こないだ文乃とか言う奴をこの学校でみたな。


興味なくて、すぐに目そらしたけど。
女は嫌いだ。どうせみんなあの人みたいに裏切る。


そう.......。だから俺は誰も信じない。



眠くて、眠くて、仕方なくていつの間にか家のソファで寝てしまっていた。


「.......さん!.......きて。起きろ!!!」


ガバッッ


今、俺っっっ。


夢を思い出して震えが止まらない。


頬に涙が伝っているのが分かる。


またっっっ.......。


俺はっっっ.......。



バシンッッ!!

『めんどくさいわね!!
泣いてんじゃないわよ!みっともない!
泣く子は私の子じゃないわ!!!』


頬の痛みと、あの人の言葉がよみがえってくる。


嫌いだ。泣く自分なんて大嫌いだ。


そして、あの人を思い出してあの人に嫌われる事に怯える俺はもっと嫌いだ。


フワッ

誰かが頭を撫でてくれている。その手が何故かとても心地よくて、安心した。
ずっと、ずっと撫でていて欲しいと思った


でも、その誰かに気づいた瞬間。血の気な引いた。


見られたっっ.......。しかも、女なんかに。


怖い。怖い。


女の顔を見るのが怖くて、下を向いた。


最悪だ。


お前もどうせ、俺を蔑んだ目で見てくるに違いない。


みっともない奴だと。


弱いやつだと。


グイッ!


え?
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