クローバー

明かされた本音

――――――――――――
――――――――――
――――――――


「ただいまー。」


スーパーで買った夕飯の材料を持って、リビングに入る。今日はお肉が安くて、るんるんだ。すき焼きにしよー。


「文っ。おかえり。」


ソファて寝ていた瑠衣が起き上がり、寝起きの声で出迎えてくれる。


そんなに眠たいなら寝てていいのに.......


あのカレーライスの日から、何故か瑠衣が家に帰ってくるようになった。


朝食、夕食をキッチンで作っている時、瑠衣はいつの間にか私を後ろから抱きしめていて、寝なが私の動きについてくる。


ある意味天才である。そんなに眠たいなら寝とけばいいのに、と思い声をかけたり離そうとするがこれが全っっ然起きないのだ


最初は一緒に食べることに戸惑いがあったが、もう慣れてしまえば気にすることも無くなった。


よしっ!完成!


「瑠衣!起きてー!すき焼きできたよー」


お腹に回っている手をポンポンと叩いて起こす。


「ん。ふふふ。すき焼きかー。」


瑠衣はふりゃりと笑う。


キューン!か、可愛いっっ!


なんだろう。悠斗さんも可愛いが、またなんか違う可愛さだ。天然というか、自然にというか


悠斗さんのは、あざとさを感じる


うんうんと1人頷いていると、


「文。何を考えてるの?」


「え?な、何にも考えてないよ?」


言えない。あなた達兄弟の可愛いさの違いを考えていたなんて……


「ふーん。ふみ、最近敬語使わなくなった
ね。」


「う、うん。」


「お仕置き出来なくて残念だなー。」


いや、私としては嬉しい限りです!!


瑠衣は私が敬語を使うと、お仕置きと言って顔のあらゆるところにキスをしてくる。


私自身そういう事が初めてという訳でもないので、恥ずかしいという気持ちはあまりないのだが、くすぐったくてしょうがない


瑠衣は私の嫌がる顔見て楽しんでいるえ?瑠衣って、サディストなの?思わず疑ってしまったが、こんなに可愛い瑠衣がサディストのはずない!う、うん。そうだ。きっと違う。


「ねぇー。文!」


「な、なに?」


「また何か考えてたでしょ?」


不機嫌です。という顔をしている瑠衣。


「そ、そんなこと…」


「俺の前で、他の男の事考えてもお仕置だから」


「え?」


それはそれは、綺麗な笑顔を浮かべた瑠衣


「ふふふ。食べよ?」


やっぱり、サディスとかもしれない。
瑠衣、可愛い顔して恐ろしい子!!!








< 26 / 117 >

この作品をシェア

pagetop