クローバー


「金髪、お先。」


「は?」


ゴールテープが私の身体に巻きついた。


「な、な、な、なんと!!!!1着でゴールしたのは四宮さんだー!!!!」


興奮が収まり切れないような放送の声。息絶え絶えに言っている姿はどっちが走って来たか分からないくらいだ。


「お前なんだよさっきの!!」


「え、さっきのって?」


「お先って!妙にイケボだし。」


「イケボって…。なに?ときめいたわけ?」


走ってきたからか、照れてるのか、分からないが顔を真っ赤にして怒鳴る金髪。いやもう茹でダコにしか見えない。


「そ、そんなわけねぇーだろ!!ありえねぇし!てかお前速すぎんだろ!!」


「まぁまぁ、そんな悔しいがんないでよ。金髪も速かったよ。」


「なんかお前いちいちムカつくな。」


それは金髪がバカだから。


なんて事を口にしたらいつまでたってもキリがないのでやめておく。


なんか走って疲れた。次の競技まで少し木陰で休もうかなー。


「なぁ、」


「ん?」


「昨日は怒鳴って悪かったな。」


ボソボソ言っていて聞こえない。


「え?なんて?」


「だから!!!昨日は怒鳴って悪かった!!」


「ぶっ、何を今更。今日だって散々怒鳴ってるくせに。」


「ちっ、うるせぇ。早くどっか行けよ。」


そっちが呼びとめたくせによく言うよ。


「ハイハイ。じゃあね。」


全くどいつもこいつもばか素直に謝るはお礼言うは可愛い奴らばかりだねー























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