カラフルハート
エピローグ
私たちは3年生になり、去年の夏祭りの日に約束した神社のユリノキを見に来ていた。
チューリップに似た黄色い花が綺麗に咲いていて、緑の葉と相性が良い。
「え……」
鍛治くんはユリノキの下で、私のスマホ画面を見て固まった。
その画面に写るのは、私と兄とおばあちゃんで撮った写真。
鍛治くんに、大好きなおばあちゃんと、高校時代の兄の派手具合を見てもらおうと開いた写真だった。
「鍛治くん?どうかした?」
「あ、いや……そんなことあるのかと思って……」
「ん…?」
「このおばあさんなんだ。…俺が中学の頃、病院で話したって言ったおばあさん」
「え……えぇっ、!?」
驚き過ぎて思った以上に声が出た。
鍛治くんが辛いときに、進む先を教えてくれたおばあさんが、おばあちゃん……?
「俺もビックリした……天野さんの大好きなおばあちゃんだったなんてね」
「うそ…、ほんとに……?」
そんな信じられない出来事もあるんだ……
中2の鍛治くんと出会ったおばあちゃんは、亡くなる前のおばあちゃん。
きっとそれは、おばあちゃんが私に残してくれた奇跡。