カラフルハート
「ねぇ、雫も放課後どっか誘ってみたら?鍛治のこと」
「えっ」
「だって、せっかく2年で同じクラスになったんだし、このままだとあっという間に3年になって卒業だよ?アタックしないと勿体無いって。
てか、そもそも私はあのヒョロいだけの奴に雫はもったいないと思ってるけど?」
口を尖らせながらミミちゃんは私の顔を見上げた。
「確かにスタイルも頭も良いみたいだし、普通にいい奴かもだけど、オシャレで人気者の雫がなぜそこにいった?って正直思っちゃうんだよね。
言っちゃ悪いけど、鍛治ってあんま存在感ないしさ、この学校だと特にいなくても気づかれないんじゃない?
今まで恋する雫が可愛すぎて聞けなかったんだけど、雫はあいつのどこを好きになったの?」
「……ミミちゃんがわからないなら、わからないままでいてほしい」
鍛治くんの素敵なところをあげればキリがないよ……
例えば、笑うと黒目が見えなくなるくらいに細めて笑うところ。
私の声が聞き取れなかった時、身長が高いから私の身長に合わせて耳を傾けてくれるところ。そういう時心の中はいつもキュンとしてる。
それから、ぼーっとしているように見えても人の話を聞いてたり、周りをよく見ているところ。
だから私がバス酔いした時も気づいてくれた。