カラフルハート


「天野さん、うちここ」


鍛治くんの家はそう遠くなく、学校からだと本当に近めの距離だった。


「雫ちゃん、入って入って〜」

「わわっ、お邪魔しまーす!」


心音ちゃんに手を引っ張られるがまま家の中に入る。

すると、若々しいショートカットの綺麗な女性が、これからどこかに行くのか身支度を整えていた。


「あ、お母さん。おはよ〜!」


お、お母さん!?
しかも、おはよう…?

もう時刻は昼を過ぎている。


「ココちゃん、おはよう。今日も可愛いな〜!…お、あなたが天野雫ちゃん?」

「あっ、はい!天野雫です」

「鍛治家の母です。優くんがいつもお世話になってます」

「こ、こちらこそです!」


鍛治くんのお母さん、若くない!?
だってどう見てもまだ30代だよね…?

そしてスタイルがめちゃくちゃいい……


「2人が言ってた通りの子だね?…あ、そういえば……」


そう言って鍛治くんのお母さんは、何か思い出したようにどこかへ行ってしまう。


「鍛治くんのお母さんて、今何歳…?」

「今は36だったかな」

「えぇっ」


聞こえないように小声で鍛治くんに聞いたのに、返答に驚いて結局大きな声が出てしまった。

私が17歳になって、鍛治くんも17歳だから……お母さんが19歳の時に鍛治くん生まれたの…?


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