天才パイロットの激情は溢れ出したら止まらない~痺れるくらいに愛を刻んで~
 あそこに里帆がいるんだと思うだけで、笑みがこぼれ胸が温かくなった。




 

 空港から近い場所にあるバーでひとり飲んでいると、里帆が店に入ってきた。

「本当に翔さんは強引すぎます」

 俺の姿を見つけた途端、里帆は頬を膨らませた。

「悪い」と微笑みながら、彼女のために隣の椅子を引く。

「コックピットの中で無線越しに里帆の声を聞いたら、どうしても会いたくなった」
「だからそういうことを言わないでください……っ」

 言葉を詰まらせた里帆の白い頬は、照明が控えめの店内でもわかるくらい赤くなっていた。

 意地っ張りなのに素直な反応を隠せない里帆が、かわいくてしかたない。

「でも、来てくれただろ?」

 首をかしげて見つめると、里帆は顔をしかめて隣に座る。

「一方的にあんなメッセージを送られてきたら、無視するわけにはいかないじゃないですか」

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