こんなにも愛しているのに〜私はましろ

西崎くんと手塚くん 5

高校2年の夏休みの補習
最後の週に
西崎くんが出席した。

坊主頭になっていたのには、驚いたが
本人は、一時期の昏さが幻だったかのように、
極々普通の学校生活を取り戻していってた。

休みの分の進捗具合を、クラスメートに尋ねたり
昼休みに何人かとコンビニへ走ったり
下校時に女の子と一緒に帰ったり。。。

手塚くんからいろいろと聞いていたので
今の彼の様子が、私にはよく理解ができなかったが
何となく
無理をしているような気もした。
あの仲がいい手塚くんと、連むところは見られずに
挨拶くらいしか交わしていない。
手塚くんは悲しい目で、西崎くんを見ていたが
彼は彼で
あのチャラ男ぶりを発揮しており、、、

私から見たら、彼も無理をしているような気がした。

結局は
私は巻き込まれるだけ巻き込まれて
手塚くんからは、重い話を一方的に知らされ
ここに来て
二人から、エキストラ並みの扱いしかされていない。

何なのだろう。。。
どこか
もやっとする。

二人から絡まれないのは、、、いい。
でも
この後味の悪いオチは、、、腑に落ちない。

しかし
それを蒸し返すまでもないと、私は私なりに結論づけて
日常の瑣末事と、あの二人のことを私の心の奥深くに
埋没させた。
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