佐藤さん家のふたりとわたしと。
第八章「癒やしのみどり」

MEI Story

午後の授業が終わった昼休み、パック牛乳片手に教室の窓からグラウンドを眺める。

まだ寒いのに、誰より走って誰より声を出してサッカーをする彼。

最近の私はそんな彼に夢中だ。

匡史(ただふみ)めっちゃくっちゃカッコいいーーーーー♡♡」

私の心はぽっかぽか、見ているだけでぽっかぽか♡

「誰だよ匡史って」

隣で同じように窓の外を覗き込んだ奏志が目を細めた。

「ほらっ、見て!匡史ゴール決めたよ!!」

「いやだから誰だよ」

指をさして教えてあげたけど伝わらなかったらしい。その問いに大志が答えた。

「化学の先生でしょ、こないだ奏志宿題出さなくて呼ばれてたじゃん」

「あぁ、滝田(たきだ)?」

化学の滝田先生はまだ20代で見た目もさることながら、明るい性格故に生徒にも気さくに話しかけてくれて、お昼休みにはよく一緒に遊んでいる。サッカーしたり、野球したり、時にはかくれんぼしたり、みんな大好きな学校の人気者なんだ。

「お前あーゆうのが好きなわけ?」

「うん♡匡史カッコいいし、優しいし、おもしろいし、スタイルいいし♡」

「へぇー」

授業でしか接点ないからたまにこうして遠くから見守ってる。

今日も見られてよかった♡

「匡史いい人なんだよ♡」

「「友達かよっ」」
< 88 / 176 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop