乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
私のペースに天清さんが合わせてくれていたことは今となっては申し訳ないくらいだったから、それに関してはしっかり自覚がある。

「うん―――それにきっと、月子の前だと俺は優しくなれる」

「天清さんはずっと優しいですよ?」

「月子にだけだよ」

どういう意味だろう。
今まで出会った人の中で天清さんが一番、優しいのに。
不思議そうに天清さんを見ていると、無邪気な子供のように笑った。

「大好きだよ、月子」

そう言って、体を掴んで逃げられないようにするとキスをした。

「ん、あっ……」

舌を絡め、口腔内をなぞり、官能を引き出すような甘いキス。

「ふ、あぅ」

指が下腹部をなぞり、お湯から浮かすように体を持ち上げた。

「やぁ……恥ずかしいから」

「貸し切り露天風呂だから平気だよ」

部屋には私達だけ―――わかってるけど。
露天風呂に降り注ぐ光が私の裸を照らしていた。
お湯に濡れた体が反射して、キラキラとしている。
それを舌で舐めとるようにゆっくりと天清さんの舌が胸をなぞった。

「んっ……くぅっ」

声を堪えている私を天清さんは笑う。

「我慢する月子の姿も可愛いね」
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