乙女ゲームオタクな私が妹の婚約者と結婚します!
ちらりと見た天清さんの体は筋肉質で引き締まっていた。
肌も綺麗でってしっかり見すぎでしょ!?私!!
ばんばんばんっと枕を叩いていると、天清さんが言った。

「まだ眠いけど、お腹空いたし、朝昼ご飯食べようか」

「……はい」

私は新崎家の会食より、天清さんの裸に気をとられ、会食の話を聞き逃してしまっていた。
天清さんが先に部屋を出て行くと、ようやく平常心を取り戻すことができ、服を選んで着替えた。

「救心飲まないとだめかもしれない……」

最近、胸の動悸がひどすぎる。
このままじゃ心臓がもたない。
そう思いながら、起きていくとお手伝いさんが作ってくれたご飯が並んでいた。
そして、父がいた―――嬉しそうな顔をして。

「いやぁ!どうしたことかと思ったが、うまくいっているみたいだな!天清君!」

「月子が俺を受け入れてくれるおかげです」

「そうか!そうかっ!」

感動のあまりか、父は目に涙を浮かべていた。

「この子は内気でいったいどうなることかと思っていたが、素晴らしい婿をもらったおかげで人並みに暮らしていけそうで安心したよ……」

父はぎゅっと天清さんの手を握った。
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