ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
『着いた!!』

「…すごっ。』

目に見える景色全部、ひまわりでいっぱいだった。

高野さんが行きたかった場所は、北海道のひまわり畑だった。

『思ってたより、ずっと綺麗。あ、そうだ、獅子谷くんこれもって。』

「え、ちょっ。」

高野さんは俺に一眼レフのカメラを渡してきた。

『お父さんのこっそり持ってきたんだ。割と良いやつらしいから落とさないでね。』

「…これ、割とじゃなくてかなり良いやつでしょ。」

『そうなの?じゃあ、なおさらいいや。』

「…もしかして。」

『カメラマン、お願いしても良いですか?』

「笑、かしこまりました。」

高野さんは、ひまわり畑の中に飛び込んでいった。

俺は、慌てて高野さんを追いかけた。

『撮って。獅子谷くん!』

「撮るよ。はい、チーズ。」

アップ、前身、たくさん写真を撮った。

黄色いひまわりの中に、白いワンピースを着た高野さんはよく映えていた。

『ありがとう。いっぱい撮ってくれて。』

「どういたしまして。」

『せっかく来たんだから、もうちょっとだけ見ていこう。』

「うん。」

ひまわり畑のなかを歩き出した高野さんの後を、俺はただついて行った。

高野さん自身がひまわりみたいな人だからだろうか。

高野さんはひまわり畑によく溶け込んでいた。

たぶん高野さんは、俺が知っている人の誰よりもひまわりが似合うのだろう。

しばらく歩いていると、高野さんは急にとまった。

そして、1本のひまわりをじっと見つめていた。

この人は、やっぱり綺麗だ。

…パシャッ
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