ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
「いやー久々にこんなに頑張ったわ。」

「3時間も勉強したもんね。」

「3時間?!そうなにやったんだ…。優、俺めっちゃ集中力上がってる気がする。」

「初めて会ったときに比べたらすごく成長してるよね。」

「やっぱそうだよな?!俺、意外と勉強できるのかも。」

「そうかもね。」

海人と話しながら歩いていると、前から走ってきた女子生徒とぶつかった。

「あ、ごめんなさい。」

「いや、こちらこそごめんなさい。大丈夫ですか?」

女子生徒が顔をあげた。

「檜山さん?」

「なんだ、獅子谷か。前見てなくてごめん。じゃ。」

檜山さんはそう言って走り去っていった。

涙で顔が少し濡れていた。

「優、今の子ちょっと泣いてたよな?」

「…うん、そうだね。」

「大丈夫かな。ちょっと心配だな。」

「…そうだね。」

檜山さん、高野さんと何かあったのだろうか。

『獅子谷くん、中村くん。』

呼ばれた方を見ると、高野さんが手を振っていた。

「優、俺先に帰るわ。」

「え、ちょっ海人ー。」 

「じゃあな、優。」

海人は、俺に下手なウインクをして帰っていった。

『…もしかして、中村くんに気使わせちゃったかな?』

「いや、海人だから気にしなくて大丈夫。」

『獅子谷くんに、そんなふうに言える友達ができたなんて、なんか感動しちゃうな。』

「何、急に。」

『いや、ちょっと思っただけ。』

「…そっか。」

『あ、えっと、ごめんね、急に声かけて。』

「それは全然大丈夫なんだけど…。」


檜山さんのこと聞いても良いのだろうか。


『ちょっと、聞いてほしいことがあってー。』

「…聞くよ。」

『…六花と喧嘩しちゃった。』


高野さんは、少し泣きそうだった。
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