ひまわりが枯れるとき、ライオンは…
「絶対どっちかが1000円だして後で精算した方がよかった。」

『500円玉2枚ってなんかね。笑 てか、獅子谷くんココアってなんか意外。コーヒーのブラックとか頼むと思ってた。』

「悪い?」

『ううん、可愛いなって思って。笑』

「うるさいな。」

なんてことを話しながら、俺は高野さんに連れられて、公園に来た。

小学生が4人、奥にある遊具であそんでる。

『ここ、人少なくていいでしょ?』

「まぁ。」

僕らはベンチに腰掛けた。

『何から話そうかな。』

「なにからでも。」

『獅子谷くんはどこまで知ってるの?』

「皮膚が黄色に変色していって、全身が黄色くなったときに脳死する、これしか知らないよ。」

『大体はあってるよ。もっと詳しく言うと、足から上の方にだんだん黄色くなっていくの。黄色になったところはしばらくすると機能しなくなるの。』

「脚が黄色くなったら歩けないとか?」

『そうそう。』

「そうなんだ。」

『変色のスピードは人によって違うらしいから、発症してどのくらいで死んじゃうかはなんとも言えないんだけど…自分の体見ればあと寿命がどのくらいかがわかるんだ。便利でしょ?』

「…そうだね。」

『なんていう病気か知ってる?』

「…なんだっけ。」

『日輪病。』

「日輪ってひまわり?」

『そう。植物の葉っぱって下から枯れてくでしょ?黄色くなって枯れたりもするらしくって、それでひまわりの大きさって人くらいじゃん?ひまわりが枯れていく感じと似てるから日輪病って言うんだって。』

「…そうなんだ。」

『これで、話すことは大体話したかな。他になんか聞きたいことある?』

「いや、大丈夫。」

『この話、獅子谷くんにしかしてないからよろしくね。』

「あの友達にはしなくていいの?」

『六花のこと? いいの。これからも誰にも話す気ないし、獅子谷くんが知っててくれればいいや。』

「嫌いな相手にこんな大事な話するとか、変わってるね。」

『そうかもね。笑』

気がつくと、小学生たちは居なくなっていた。

「そろそろ帰ろう。遅くなっちゃう。」

『うん。』
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