僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~

「お邪魔します・・・」

結局、こうやって来てしまう俺は、これからキス以上のことをされてもおかしくない。

声だけして迎えがなかったけど、勝手に上がり込んでリビングらしきドアを開けた。

「こんちわ――っす・・・」


誰か先客がいると思ったら穂香だった。
何の違和感なくコタツに入っている二人。

高級アパートっぽいのに、和のコタツがアンバランスで違和感を覚える。

それは、コタツに限っての事ではないけど。

「まあ、いろいろ変なところはあると思うけど、とりあえずこたつ入れよ」

「はい・・じゃあ、改めてお邪魔します」


「・・・・」「・・・・」「・・・・」

何だろう?この感じは。
ほのなんて普通にみかん食べてるし。

リラックスしすぎだろ。

コタツテーブルの上には土鍋が乗っていた。

これから三人で、これを食べながらする話ってなんだろう?

お土産話?

たぶん違うよな。


「ねえ、スイッチつけて」
「はい」

特に表情もなく交わされるやり取り。
ほのは紫音先輩に言われた通りに、卓上IH のスイッチを押した。


「鍋、ですか?」
「うん、研修先の東北から魚や牡蠣を送ったんだ」
「へぇ…」
「おかえりは?」

ビールを手渡ししながら聞かれた。

「え?帰り?車なんて持ってませんよ?」
「じゃないよ、”おかえり”は?昨日帰って来たんだけど」
「あ、おかえりなさい」

「ん」
「・・・・・・・・・」

なんだ?普段冷めた顔してるのに、にやにやと嬉しそうにしてる。


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