僕らの恋愛事情【完】 ~S・S更新中~
episode、5 結婚のかたち

結婚論


”そばにいるだけでもいいから”

その言葉通り、二人は楽しそうだった。

前みたいに俺を真ん中にして、出かけたりご飯を食べたり映画や桜を見に行ったり。


少しだけ今までと違うのは、二人はお互いに笑って話すようにもなった。

前はそれぞれに引っ張られて連れ去られることがあったけど、今はそんなことはない。


俺を中心に会話が弾んでいって、それだけでも楽しいし。
でも、やっぱり、二人に悪いなって気持ちはなくなることはなくて

いつか、ちゃんと答えを出してあげないとって、思ってる。



「じゃーん」

「うおー」

「すっげー」


穂香の手作り弁当の華やかさに声をあげて興奮する男二人

「なんか懐かしい、運動会みたい」
「うん、凄いな。この間行った花見の時の三色団子も凄かったけど。・・・悪いな俺の分まで作ってもらって」

「ううん、いいの。作るの趣味だから」

「あ、俺も今度作るから、うちでご飯食べよう。ほのちゃんもお返しするから来てね」

「はい!」


俺たち三人の中で、自然と出来たルール。

二人きりで会わないこと。
会うとしても、人目が付くところで。
密室では、三人一緒にと決まっていった。

そうして、今日みたいにどちらかがご飯や弁当を作ったら、そのお返しをするということ。


「俺も何か作ってみようかな」
「いいよ、祐ちゃんは」
「そうだよ、ユウ料理できねぇじゃん。クソまずいし」

遠慮がちに、やんわり断るほのに対して、ハッキリ言う先輩。


「そんなことないけど、少し焦げただけだよねぇ、ひどいね紫音さんは」

フォローしてくれるけど、ほのも笑ってる。


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