客観的恋愛曖昧論〜旅先の出会いは、運命の出会いでした〜
真っ赤になる二葉を見ながら、美玲はニヤニヤしながらからかう。それを振り払うかのように、二葉は彩花の方を見た。
「あ、彩花はその人のことをどう思ってるの? なんかさっきのだと、客観的な彼の印象にしか聞こえなかったから」
「えっ……どうって……そうだな……。いろいろ気付いてくれる。私が困っていると、さりげなく助けてくれたり。何も言わなくても伝わったりするのは楽かも」
「ふーん……その彼、彩花のことをよく見てくれているんだね〜」
彩花はしばらく黙った後、照れ隠しのように下を向いた。
そして全員の意見を精査し、自分なりの答えを導き出す。
「よし、とりあえずお試しで付き合ってみる。で、三回デートしてみて、結論を出す!」
彩花の決意を聞くと、四人は笑顔でグラスを合わせた。