だから今度は、私がきみを救う番
私の家族が座っている場所まで、小笹さんと一緒に歩く。

非日常の空間だからか、私は今『友達』と並んで歩けている。

そして彼女たちを『友達』と認識している自分がいることを知った。



小笹さんが、私の方を見ながら言う。



「私今日ね、ここに来るまですっごい不安だったんだ。川が溢れたらどうしよう。おうちが浸かってしまったらどうしようって」



私も同じだ、と思った。

あの川が溢れて、街じゅう浸かっちゃったたらどうしようって心配で。

小笹さんに会うまで、不安で不安でしょうがなかった。



「でも亜季ちゃんやリミちゃんに会えて、すごく救われた。ありがとう」



そう言って小笹さんがにこりと笑った。

その言葉をそっくりそのまま返したいな、と思った。
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