だから今度は、私がきみを救う番
ふたりがひとつに溶けて混ざってしまえばいいのに



お盆も過ぎた八月二十五日。

夜に吹く風は少し涼しくなってきたけれど、日中はまだまだ暑い日が続く。




隣の市にあるショッピングモールは、夏休みということもあり人でいっぱいだ。



フードコートにある椅子に座り、大好きなアイスクリームを口に含む。

今日は奮発してトリプル。

チョコレートの濃厚な甘さと、バニラのシンプルな甘さ、それから一番お気に入りのメロンのアイスクリーム。

それらが口の中で混ざり合って、絶妙なハーモニーを奏でる。



顔を上げると、向かいの席に座った原くんが、チョコアイスをスプーンで掬って口に運んでいるところだった。



「原くん、チョコレート好きだね」

「亜季はいっぱい食うんだな」


< 152 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop