だから今度は、私がきみを救う番
窓の外、線路沿いに建てられた柵が流れていく様を見つめながら、昨日の夜のことを思い出した。



おばあちゃんがまた、私のことを『亜季』と呼んでくれたのだ。

それは本当に珍しいことだった。

おばあちゃんは私の方を真っ直ぐに見て、もう一度『亜季』って呼んで。

それからまた、『好きな人が出来たらなぁ、追いかけるんやぞ?』ってつぶやいていた。



きっと、おばあちゃんは何か分かってるのかもしれないな、と思う。

私は今、好きな人を追いかけて旅をしているのだから。

彼が仙台のどの辺りにいるのかも、分からないんだけど。
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