だから今度は、私がきみを救う番



「は、原くんの唇……、緑色」



そう零すのが精一杯だった。

原くんは自分の唇をぺろっと舐めて、「まじか」と言った。

その舌が緑色で、私はくすくすと笑った。



次の言葉を放つ暇もなく、もう一度唇が降ってくる。

今度はさっきより少し長めで、少し強引なキス。

二回目は、かき氷のシロップの味がした。



この人の彼女になったんだなあって、いつもより強く実感する。



それから私たちは手を握り合って花火を見た。

キスのあとの花火はなんだかよく分からなくなってしまったけど。

綺麗だった。


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