吐息ごと奪ってよ
平日のレイトショー

さすがにほぼ貸切状態で、黒辻穂高が選択したのは有名なアニメ


何も考えず、その世界観に浸れる


「こーゆーのも観るのね」


「こだわりはないですね。なんでも観ますよ。花子さんは?」


「私もそうかなー。特別なこだわりってないかもしれない。」


「俺たち相性いいかもですね!」


「、、、いや、それは分からないけど。」


「あはは。少しは心開いてくれてるみたいで嬉しいです」


「この返事のどこが??」


「うーん、表情が。」


はあー、とため息を吐いて視線をずらした。


そんな私を見て、満足げに微笑むと正面に向き直り映画を観る体勢に入った。






< 13 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop