俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました

(好き、好き、大好き)


 二年半前に閉じ込めた気持ちが、溢れて零れそうになるのを、必死に蓋をする。

(忘れたと思っていたのに…… )

 足元が揺らいで、今すぐにでも、アミールの胸に飛び込みたくなるのを、必死で気づかない振りをする。


 腰に回された手を、無理矢理に引き剥がす様に、身を捩る。


「……っやめて、アミール!」

「やっと、俺を見たな」

 切なさと、簡単に気持ちを戻された悔しさ、色々な想いが入り乱れ、涙が(好き、好き、大好き)


 二年半前に閉じ込めた気持ちが、溢れて零れそうになるのを、必死に蓋をする。

(忘れたと思っていたのに…… )

 足元が揺らいで、今すぐにでも、アミールの胸に飛び込みたくなるのを、必死で気づかない振りをする。


 腰に回された手を、無理矢理に引き剥がす様に、身を捩る。


「……っやめて、アミール!」

「やっと、俺を見たな」

 切なさと、簡単に気持ちを戻された悔しさ、色々な想いが入り乱れ、涙が溜まる。

(ダメだ、ダメだ……、泣くな。アミールから、逃げた私には、こんな涙を流す資格はない…… )

 それなのに、アミールは私の想いなどかわまずに、ひどく熱の篭った、愛おしいものを見る様な視線を向けて来て、益々私は困惑する。

(何で…… 何でそんな目で見るの? だってあなたには……)

「一花…… 会いたかった……」

 アミールが頬を撫ぜようと、手を伸ばしたのを、一歩下がって拒否をする。

 一瞬、瞳を揺らして、哀しそうな表情を浮かべるアミールに、ツキンッと心が痛む。

「なぜ逃げる? あの時も手に入れたと思ったら、俺の目の前からスルリと、すり抜けて行ったな。何が、お前をそうさせた? なぜ俺の前から、黙って消えた?」
 
 寂しさを含んだブルーの瞳が、私を逃すまいと、ジッと見つめて来る。

(……狡い…、その目は反則だ…… )
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