俺様石油王に懐かれて秘密の出産したら執着されてまるごと溺愛されちゃいました

「俺を感じて?」

彼は甘く耳元で囁くと、ツーッと舌を首に滑らせる。

 唇は鎖骨に、そして、胸へと下りていく。

「あっ…… んっ…… んんっ…… 」

 唇が胸の膨らみに届き、小さな頂きを捉えると、初めての感覚にビクッと身体が震るえ、自分でも驚く程の甘ったるい声が漏れる。

(嘘…… これ、私の声……? やだ、やだ…… 恥ずかしい…… )

カッと身体中が熱くなって、熱が頭に昇る。

 彼の節くれ立った指が、もう片方の胸の膨らみに沈み込む。

 優しく愛撫され、形を変えると唇から艶めかしい声が零れる。

「……っはぁ…… 」

(ダメ…… 触れられた所全部、気持ち良くて、声抑えられない…… )

「やぁ…… アミール…… 」

 熱に浮かされた様に、彼の名前を何度も呼ぶと、その度に嬉しそうにチュッと、キスの雨を降らす。

 彼の手が下に伸びて、ショーツを剥ぎ取られ、愛されていると勘違いする様な、優しい愛撫が落とされる。

「ま、待って、そこは…… 」

 初めての快感に、どうして良いか分からず、彼に身を任せる。

「ふぁっ…… あぁっ…… 」

「大丈夫…… 素直に感じるんだ」

 傷つけない様にゆっくり、ゆっくりと解されて、心も身体も、眩暈がするかと思う程に蕩けた頃、彼の熱いものが私の中に入ってきた。

「……ンンンンッーー!!」

「ウヒッブカ」(好きだ)


 彼の国の言葉で甘く囁やかれ、涙が滲んで、整った顔がぼやけていく。


(なぜ、なぜ私の欲しい言葉をくれるのがあなたなの……?)


 ……今だけ、彼に抱かれている今だけで良いから、恋人気分に溺れさせて……。



 彼の肩にそっと顔を埋め、ゆっくりと目を閉じた。
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