今日も一緒に帰ろう
「ふうっ。終わった……」


私はPCの電源を落とす。



「じゃ、帰りましょ~」


椅子に寄りかかった私とは裏腹に、荷物を持って帰る気満々の鵜飼くん。


「俺、先輩運んで帰れるかな……」

「むぅっ、失礼な。ちゃんと歩いて帰ります!」



仕事を手伝ってくれたのはありがたいけど、一言多いんだよなぁ……。

私は椅子から起き上がってカバンを持ち、先に鵜飼くんのいた出入り口へ向かう。


電気を消して、二人でその場を後にした。



「鵜飼くん、ちゃんとPC落とした?」

「おっちょこちょいの先輩じゃないんだから、忘れるわけないですよ」

「なっ、おっちょこちょいって……」


聞き捨てならない言葉が聞こえて、少しムッとなる。



「先輩!今ならゆっくり歩いても終電に間に合いますよ~」
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