御曹司社長はイケメンで甘すぎです。
颯真さんに迎えに来てもらって、私は重大な問題を思い出した。
なんと、私はモルディブに行く前に、住んでいた家は引き払ってしまったのだ。
考えてみたら、帰るところがない。
「颯真さん、た…た…大変です!」
「結愛、どうした!」
運転中の颯真さんは、私の突然の言葉に驚いている。
「私…家が無いんです。モルディブに行く前に引き払ったことを忘れていました。」
颯真さんは焦っている私を見て、クスクスと笑っている。
「結愛らしいな…そんなこと分かっていたよ。」
「…では、どこに向かっていたのですか?」
「結愛、ちょうど良い機会だから、一緒に住まないか?」
「…っえ。でも…ご迷惑ですよね…」
颯真さんはチラリとこちらを見て微笑んだ。
「…俺は嬉しいけどね。」
結局、帰る家の無い私は、颯真さんの家にお世話になることになった。