Gentle rain
それを大題的に紹介してくれて、感謝しますと言わんばかりの表情だ。


よくやる。

森川社長は、策士だと思った。


会合が一通り終わり、俺は森川社長と、菜摘さんと三人で食事に向かった。


場所は、以前から森川社長を連れてきたかった、和食の小料理屋を選んだ。

暖簾を潜り、部屋までの廊下を歩いている途中でも、森川社長は子供のように身体を弾ませていた。


「いやぁ、さすがだね。階堂君。」

「気に入って頂いて光栄です。」


辿りついた場所は、お店の一番奥の部屋だった。

そこに掛けてある掛け軸は、見るからに趣のあるもので、腰を降ろした森川社長も、それを大層気に入っている様子だった。


そうこうしているうちに、女将が挨拶にやってきて、森川社長にやけに頭を下げている。

特に女将には、誰をお連れするかなんて、言っていない。
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