赤い糸


私の中で変化があった。
ボム先輩の事は大好きだった。

でも、やはりしんちゃんと居るのが楽しかった。

ボム先輩が楽しくないわけではない。

ただ、しんちゃんと居ると、素の自分を出せた。笑ったり怒ったり泣いたり。

ボム先輩の前では、どこか猫を被っている自分がいた。
だからこそ、しんちゃんといるのが楽だった。


こんな気持ちのまま、ボム先輩と一緒に居てもいいのだろうか?

私はしんちゃんに相談した。
正直に相談した。

しんちゃんと居る時が1番楽しい事。
ボム先輩の事は好きやけど、本音が言えない事。


そして、何故口走ってしまったのか分からないけど、もし、私が別れたらしんちゃん付き合ってくれる?って聞いていた。



しんちゃんは、付き合う、付き合う。絶対付き合う。
何度も何度もそう言っていた。

でも、別れ話なんて、なかなか言い出しにくい。

だから、私は距離を置いた。
紅茶の時間も女子チームの中で話したり、帰りも違う子と帰ったりした。

そんな日々を過ごしていると、さすがにボム先輩も気づいたのだろう。
あっちから、別れ話を切り出した。

正直ほっとした。

そうやって、私のファーストキスを奪った先輩とはお別れした。


< 39 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop