甘いキスをわたしに堕として。
数人の男たちに囲まれ、いまにも襲われそうというとき。



いつもだったらこんな場面に遭遇しても助けない、見て見ぬフリするのが当たり前だった。



だけど



気づいたら奴らを倒していて。



ウルウルとした瞳で俺を見つめる女。




お礼を言おうと立ち上がりたいんだろうけど、上手く立てなさそうだった。




仕方なく、お姫様抱っこをしてやった。



助けて欲しかったら言えば良いんじゃねぇの、内心はそう。




名前を尋ねたら、「四ノ宮藍」と名乗った。
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